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ノキアのインターネットタブレットでPalm用アプリが使えるGarnet VMをUbuntu上で試してみた

なんとノキアのN770やN800,N810向けのGarnet VM(PalmOSの純正互換環境)が配布開始されました。Garnet VMは現在開発中のLinuxベースでPalmOS向けアプリを実行できる環境です。Datebk5何かも動作するようです。久々にドキドキする発表だったのですがノキアの端末は国内では発売されていません。そこでUbuntu上の開発用エミュレータで走らせてみました。結論から言うとうまく動作しませんでしたが、環境構築の備忘録。

NokiaのインターネットタブレットはLinuxベースのPDAでWiki, Bluetoothを内蔵し、インターネットアクセスに使いやすく出来ています。LCDは4inchでiPod TouchやPSP等と同クラス。最新のN810はタッチパネルとスライド式のキーボードがついています。大メーカから発売されているLinuxPDAとしてとても注目しています。

すべてのソースが公開されている訳ではありませんが、オープンな開発環境が公開されており、500近いオープンソースなプロジェクトが立ち上がっているなどかなり楽しげな端末です。 (ぜひ日本でも発売してください>Nokiaさん)

いつまでたっても正式に出てこないLinuxベースの純正PalmOS互換環境Garnetですが、このNokiaの端末で動作するVMがACCESS本家から発表ということで久しぶりにちょっと興奮してしまい、開発環境のエミュレーション環境をザクッとインストールしてみました。 

開発環境はdebian/ubuntu等のLinux向けのものでscratchboxというホスト上でターゲットに近い環境を作るものとクロスコンパイラなどの環境で、qemuを使ってターゲットのバイナリを実行できます。ホスト側にXnestのサーバを立ち上げてターゲットのバイナリから接続することで実機とほぼ同じ環境が作れます。

インストールの手順を忘れないようにメモ。

まずNokia端末の環境のサイトはmaemo.org。ここにほとんどのリソースが集まっています。

SDKはmaemo.org - SDK Releases: Maemo 4.0 Chinook SDK。基本的にここにあるINSTALL.txtに従ってインストールを進めます。すべて個別のパッケージでインストールすることも出来ますが、用意されているスクリプトを使うのが簡単です。

  1. scratchbox apophis r4(Scratchbox - Scratchbox Apophis)をインストール
    wget http://repository.maemo.org/stable/chinook/maemo-scratchbox-install_4.0.sh
    sudo sh maemo-scratchbox-install_4.0.sh
    sudo /scratchbox/sbin/sbox_adduser <自分>

  2. maemo SDK 4.0をインストールします
    wget http://tablets-dev.nokia.com/4.0/maemo-sdk-install_4.0.sh
    sh maemo-sdk-install_4.0.sh
    ->選択肢がありますがデフォルトのRuntime+All Dev Packで入れる。またユーザ権限でインストールします。

  3. Nokia EULAバイナリー(not open)をインストールします
    EULAに同意すれば、続いてNokiaのバイナリーのみで配布されているパッケージが入ります。
    /scratchpad/loginを実行するとターゲット環境が起動しシェルが起動します。
    fakeroot apt-get install maemo-explicit

  4. Xephyr (X11 nestサーバ)をインストールします
    ホスト環境で
    sudo apt-get install xserver-xephyr
以上で環境の構築は終わり。ターゲットを起動してみます。
  1. ホスト側でXephyrを起動
    起動すると800x480のXのルートウィンドウが立ち上がります。
    Xephyr :2 -host-cursor -screen 800x480x16 -dpi 96 -ac -extension Composite

  2. ターゲット環境でHildonを起動
    export DISPLAY=:2
    af-sb-init.sh start

後は適当にいじって見てください。シンプルでなかなか使いやすそうな印象です。

以上でNokia端末の環境が出来たので、 続いて本題のGarnetVMをインストールします。VMのゲットにはメールアドレスが必要です。

  1. Garnet VM Beta for Nokia Nseriesにアクセスし、Download Garnet VM for: でN810かN800をクリックします。
  2. 出てくるフォームから名前とメールアドレスを登録します
  3. ダウンロードのリンクが入ったメールが到着するので、そこからファイルをゲット
    garnet-vm_1.0b_n810.deb
  4. このdebファイルはNokia端末用なのでターゲット環境側にコピー
    cp garnet-vm_1.0b_n810.deb /scratchbox/users/<user>/home/<user>/
  5. ターゲット環境でインストール
    hildonが起動した状態でdpkgします
    dpkg -i garnet-vm_1.0b_n810.deb

後はHildonのアプリのアイコン>Extras>Garnet VM (宝石のICON)をクリックすると起動する...はずですが、残念ながらGVM起動中にunsupported  syscall: 264等と文句が出て起動しません。 

さすがにエミュレータの中でエミュレータを起動するのは難しいんでしょうか。少しドキドキしながら試したのですが無理でした。N810はもうすぐ発売。実機が欲しくなってきました。(ちなみにキーボードのない旧機種N800はexpansysで30000円を切っています)

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2007年11月14日 23:25に投稿されたエントリーのページです。

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