限られた機能だが高速起動、コンパクト、十分使い物になるソフトウェア、低解像度だけど使い物になるレベルのディスプレイと入力デバイス、そして低価格。こう聞いて思い出すものといえばなんでしょうか?
私はすぐにPalmを思い出してしまいます。いや、先日のホーキンスが発表したFoleoが冷めた評価と開発延期となってしまったことは記憶に新しいですが、デバイスだけを見ると似たような形で双方LinuxベースのデバイスであるにもかかわらずAsus EEEはどこを見てもかなりの好印象。もちろんスペックはEEE PCは少しダウングレードしたPCで、PDAに毛が生えたようなFoleoの方が性能面でも機能面でも劣りますが。
この二つのデバイスの性格の違いと市場ニーズは、確実にモバイルな世界の成熟を感じるところです。iPhone, iPod touchも実は近い線を持っていると思うのですが、ユーザはもっさりした動作、プアでどうしょうもないブラウザや使い物にならないドキュメント閲覧機能なんかに飽き飽きしているということ。より大きなスクリーンと、まともなブラウザと、少しは使い物になる入力デバイスが必要とされていて、まさにAsus EEEが実現したところ。
でもいくら単体で成立するといってもやはりノートPC、スマートフォンほどの身軽さはありません。 Palm Foleoは今ひとつな印象を持って評価されていたようですが、小さな制限付デバイスともっとましなデバイスの組み合わせは非常に可能性を感じたのです。
NokiaのBluetooth付携帯電話は出先から帰ると自動的にPCとリンクを確立し、同期を行わせることが出来ます。同じようにAsus EEE PCに携帯電話との優れた連携機能がつくならば、かなり面白いことができそうです。
私見になりますが、Foleoは少し目標を見誤った感があります。ホーキンスはあくまでモバイルデバイスを中心にすえていたところにソリューションとしての限界が見えます。むしろどちらが主で従などではないシームレスな同期とそれぞれのデバイスの特徴を生かすことが真にユーザが求めるものではないでしょうか。
Asus EEE PCはLinuxベースということもあり、Geekな人間の注目も浴びています。うまく開発のエコシステムかコミュニティを形成できればかなり活気付く可能性があります。またモバイルデバイスとの強い連携機能を持たせることで、Palm Foleoが延期してしまったことが出来る最も近いデバイスに見えて仕方ありません。(いや個人的にN810という線もありますが...)
CNETのユーザブロガー、まつもとさんはこのAsus EEE PCにAppleの線を感じておられるようですが、私はWindows Mobileには閉口しているが、他にまともな選択肢がないモバイルな人種をかっさらえる可能性を感じています。(デスクトップは。。。普通にUbuntuやgPCの方が向いてそうですし)
なんて、いろいろ考えさせられるだけの魅力的なデバイスだと思います。
いや、偉そうに書いたですが、実は、何のことはないeXpansysで42,000円ちょいの値札をみて思わずクリックしそうになった、もし押しちゃった場合の自分への言い訳です。