なんていうのか、思うところが多すぎる衝撃的なニュースが
C言語の開発者、K&R本の'R'として知られており、初期のUnix開発にも参加しておられたdmrさんがお亡くなりになったとのこと。C言語、Unixの思想を著したK&Rは単なるCの解説書というだけではなく、彼らの重要なソフトウェア技術、プログラミング哲学を表した名著。もちろん直接の面識があったわけではありませんが、若い頃に彼らの著書やコードを熟読、勉強させて頂き、今の自分の礎となったと思っています。
私などが書くまでもなく、C言語とUnixの功績は今のコンピュータ分野を形作ったといっても過言ではないほどの重要なものの一つ。リッチーさんたちがいなければC/C++/Javaもなく当然JavaScriptもなく、MacOSXもiPhoneもLinuxもWindowsすら存在していなかったでしょう。デスクトップ分野では素のC言語のシェアは減っていますが、今でも組み込み分野では中心的存在。現在の世界中のテレビや車などを含めたコンピュータを使う機器のほとんど全てが彼(ら)の恩恵を受けていると言っても過言ではない状況でしょう。dmr氏はコンピュータの世界の'車輪'ともいうべき重要なものを作った方の一人として永遠に記憶されると信じます。
少し調べていたら米Motorola社を大きく育て上げた元CEOのRobert Galvin氏も10/11にお亡くなりになっているようです。Jobs氏といい先駆的な方々が次々とお亡くなりになりそうな時期になって来ました。彼らがUnixやCを開発してから約40年、AppleIIからでも30年とちょっと。その間にコンピュータは当時最先端のPDPやその後のMac等とは比べものにならないほど強大な性能を持つようになり、Unixの末裔とも言えるOSで制御されて、ポケットの中にすら収まるようになりました。常時インターネットに接続されて相互につながり、一部マニアや専門家のものから生活やビジネスの道具へと変化。人や社会のあり方を大きく変えてしまいました。これも彼らの功績、だとすればこれからの40年はどういったものになるのでしょうね。今彼らに相当する人達はいるのだろうか?
ともあれ、ご冥福をお祈りいたします。