LinuxのメインストリームといっていいGUI環境GnomeのアプリをJavaScriptで書けるようになるという話が出ていたのでメモ。
ここで紹介されているのはWebkit由来のJavaScriptエンジンを使ったSeedというソフトとMozilla系SpiderMonkey由来のエンジンを使ったGjsの2パッケージ。どちらもGobjectに対してスクリプトから容易にアクセス出来るようになっているようです。
特にSeedは既にある程度のアプリが作成できるレベルにあるようです。いずれもなにかのフレームワークを使うわけではなく、比較的gtk+そのままの感じでアプリを作るようになっており、Cアプリへの組み込みや逆にJSでのアプリ構築が出来るとのこと。
同様な用途に使用できるスクリプト言語にはGuile等のLisp系言語やTCL、Lua等がありますが、よりプログラマが多く、文法的にもなじみやすいJavaScriptが使えるという利点は(言語の善し悪しは置いておいて)非常に高いと思います。
まあちょっと趣旨は違うものの"entity"等というXML+スクリプトな環境も既にあったりしますし、スクリプトでベタなGTKをいじり回すのもあれですが、コア部分はC系のネイティブな言語で書いてGUIや拡張機能やスクリプティング機能をJavaScriptで用意するというのは既に有効であるということは実証済み(emacsやfirefoxが代表か)なコンセプト。Adobe AIRやGoogle/Yahoo/AppleのWidget等も似た感じ。
実際のアプリ開発に使うには高レベルで簡単に使えるGUIビルダーやフレームワークとeclipse等でサポートが必要だと思われますので、実際の普及にはこれからといった感じでしょうが、これからLinux向けのアプリを作ろうというW**系開発者にアピールするかもしれません。
この手のコンセプトのいいところはMVCでいう主にCの部分をこういった言語で受け持ちVはツールで生成。Mはネイティブ言語やDBでというように分離が明確しやすい可能性が高いのもいいところ。まあその分MVCそれぞれ別言語(C/XML/JS/SQL)をマスターする必要も出てきますが。
個人的にも今更ごりごりとGUIをCやC++で書くのは気が進みませんし、こういうので開発コストが下がると仕事はもちろん日曜スクリプティングでもそれなりなものが作れればいいなあと期待しつつ。