既にIntelからはDual CoreのATOMのマザーボードが発売されているようですが、遅ればせながらGigaByte GA-GC230DでのUbuntu 8.04.1 Hardyの動作状況をメモ。仕事のデバッグ用に使っているのですがデスクトップ用途に結構いい感じ。
インストールはUSBのCDドライブから日本語ローカライズ版の8.04.1を。USBキーボードとマウスで行いました。全く問題なくインストール完了。HDDは省電力のため手持ちのSATA 2.5inchを接続。メモリはDDR2-800の2GB。
さくっと動いた点
- グラフィック:1920x1200でも画像がちょっと汚いがOK。compizも3Dで問題なし。
- サウンド再生:OK
- HDDのアクセス:SATAで問題なし
- USBキーボードとマウス:OK
- ネットワーク:OK
- YouTubeとかDVDの再生: 画面いっぱいに開いても特にコマ落ちもなくOK
- 安定性:今のところ問題なし
まだ上手く動かないもの
- 64bitバージョン -- CPUは対応しているはず?少しでも速くなればいいなあ
- cpufreq -- まだ余り調べていないので1.6Ghz全力で動作中...
- sensors -- 温度がめちゃくちゃ。ありがちか。
Athlon64 x2 4850とHandBrakeで動画エンコード比較
比較するのはちょっとかわいそうな気もしますが、万一使い物になるようならレベルならなあと細い望みでエンコードさせてみました。
CPU/コーデック-スレッド数 | Athlon64 x2 4850 2.5GHz 8.04 64bit |
Atom 1.6Ghz 8.04 32bit |
性能比 |
ffmpeg -C1 | 59.23 | 7.5 | 7.9 |
ffmpeg -C4 | 64.25 | 7.78 | 8.26 |
x264 -C1 |
32.71 | 5.58 | 5.86 |
x264 -C4 |
36.75 | 5.94 | 6.19 |
比較的x264の方がffmpegよりいい結果ですが、やはり6倍もの差が。マルチスレッドでも余り性能が改善されないのでこの環境では330でも劇的に高速化するのは無理かもしれません。2時間の映画をx264の2パスでエンコードしたら16時間もかかる計算。使い物にはなりません。SSE2までしか使っていないのでHandBrakeの次のバージョンではもう少しましになるのかもしれません。ちなみにCore2 DuoのE8400を使うとAthlonのさらに1.5倍くらい速いのでffmpegで12倍、x264でも9倍位の性能差がある計算になります。
使用感
エンコードのベンチマークはさんざんなものの、使っている感じはそう悪くはありません。各種NetBookのベンチを見る限りCeleron 900Mhzとどっこいな性能のようなので速いはずはありませんが、軽い用途ならば十分こなせますね。特にEeePCなんかと比べると画面が広いためスクロールの必要性が減ってストレスが少なくなるのも要因かもしれません。
Firefox, OpenOffice, 動画再生など最低限の用途では起動や画面が大きく切り替わる際にもたつきを感じるものの、耐えられないほどの遅さではありません。というより十分使えるレベル。Dual Coreの330ならばもっともたつきは減りそう。安価で省電力だし家族向けにぴったりかも。
ただ、今のご時世にアナログVGA出力だけというのはどういうものかと。大きな液晶画面に表示するとかなり悲しい画質になってしまいます。KVMスイッチもDVIのにしてしまったのでちょっと使いづらい感じです。ATOMには珍しくDVI端子のあるShuttleのX27にすれば良かったかな。
終わりに
Ubuntuの制限付きドライバやEnvyNGのドライバではグラフィック周りがガタガタでいろいろいじらないと使い物にならないAMD 780Gと比べて、Chipsetが枯れているせいかほとんどのデバイスがインストール直後に問題なし。結構優秀かと。
自宅サーバは個々のプロセスの性能アップよりマルチスレッド性能の方が向いていたりするので、このblogをサービスしているサーバ程度なら結構耐えれそうな感じ。ATOM 330のボードが潤沢に手に入るようになったら入れ替えようかと画策中。