AMDがAMD Performance Libraryというプロプライエタリな高速イメージ・信号処理・動画な処理ライブラリをFramewaveという名前でオープンソースで公開したようです。ライセンスはApache V2 licenseなのでかなり利用しやすそうです。
- [Phoronix] AMD Opens Up Their Performance Library
- News Room Home-- AMDのニュースリリース
- Framewave Project Homepage-- Sourceforgeのソース公開場所
- The Framewave Project -- AMDのデベロッパーサイト
ライブラリは低レベルのスレッド管理、メモリ管理などから高位レベルのイメージプロセッシング、動画処理、信号処理などを含んでいるようで、動画はmpeg1〜h.264までサポートしているということです。
ざっとドキュメントからライブラリ群を紹介すると
- Base -- スレッド管理、メモリ管理、CPU関連などの基本的機能のライブラリ
- Image -- イメージプロセッシング。データ形式の変換やYUV等の色モデル変換、画像操作、デジタルフィルタ、FFT/DCT/DFT等の演算など
- JPEG -- jpeg変換ライブラリ
- 信号処理 -- ベクトル演算、固定精度の演算など
- Video -- MPEG1/2/4, DV, H.263, H.264のエンコード、デコードライブラリ
このライブラリは約3年前から作成を始めており、これを公開することで、マルチメディアのアプリケーションの性能アップやライブラリ自体のコミュニティによる拡張や性能アップを望んでいるとのこと。もちろんAMDも開発を続けるようです。
Ubuntu 7.10でコンパイルしてみる
サポートしているコンパイラはgcc/msvc/sunccだそうで、MacOSでもいけるとあります。Ubuntu(Linux)で事前に必要なのはgccとdevel関連のファイル、python2.5、sconsです。いずれもaptで容易にインストール出来ます。
ビルド手順は以下の通り
checkout
https://framewave.svn.sourceforge.net/svnroot/framewave/trunkFW_SourceForge
cd FW_SourceForge/Framewave
scons
そのまま走らせると警告がエラー扱いされているためImageライブラリコンパイルの途中で型変換ワーニングでエラーとなってしまいました。今のところ何をするわけでもないので、とりあえず$top/BuildTools/buildscripts/のfwflags_gcc.pyから-Werrorを取り払って再度sconsすると一応最後までビルド出来たようです。
で、やはり注目してしまうのはVideoライブラリの性能でしょうか。フリーのffmpegやx.264に組み込まれたりして性能が上がったりすればとてもうれしいかもしれません。このライブラリそのままではないにせよ、一部でもOSSのマルチメディアアプリケーション(特に個人的にH.264)の性能の向上につながったらいいですね。
コメント (2)
>フリーのffmpegやx.264に組み込まれたりして性能が上がったりすればとてもうれしいかもしれません。
http://lists.mplayerhq.hu/pipermail/ffmpeg-devel/2008-February/042324.html
>Apache License 2.0 is GPLv2 incompatible, its only compatible with GPLv3.
とのことです。
それとFramewaveがffmpegのコードをライセンス無視で利用したんではないかという話が。
http://lists.mplayerhq.hu/pipermail/ffmpeg-devel/2008-February/042320.html
http://lists.mplayerhq.hu/pipermail/ffmpeg-devel/2008-February/042321.html
投稿者: 謎 | 2008年02月21日 18:47
日時: 2008年02月21日 18:47
コメントありがとうございます。ライセンス問題で取り込みは難しそうですね。
ML見ましたが、評価されていないわけではなさそうですし。
ただパクったのならまずそうですね(^^;
投稿者: yamap | 2008年02月22日 03:00
日時: 2008年02月22日 03:00