Adobe社がFlash作成フレームワークのFlexをオープンソースにするとのこと。ついでに現在入手できるものをLinuxで試してみました。
OSS化の予定は夏ごろから開始し、今年中にMPLで公開とのこと。FlexはRIA(リッチインターネットアプリケーション)を作成するためのフレームワークで多くのコンポーネントを使ってFlashアプリケーションを作れます。
Flexはコマンドラインツール/フレームワークとGUIのRADツール/関連ツールの2つに分かれており
- SDK -- Flexフレームワーク、コンパイラ、周辺ツール (無償配布)
- Flex Builder -- EclipseベースのRADツール、関連ツール (製品販売/体験版あり)
となっています。今回オープンになるのはこのSDKの部分です。関連ツールやコンパイラ、フレームワークのソースが公開されることで開発速度が上がり品質の向上も期待されます。
Adobe社は最近話題のApolloやJavaScriptエンジンのMozillaへの寄贈など いい印象付けに積極的ですね。FlashはPDFと同じく気づけばあっちこっちにあるという感じで、携帯でもそれなりに使えたり、MFPなどの組込みシステムでも必要であったりと、実用システムとして普及しています。adobeのいつの間にかインフラ化戦略はなかなか成功しているのではないでしょうか。
配布中のFlexをLinuxで試してみる
ということで以下無償で出来るFlex 2とFlashについて少し。私自身はまだまだ勉強中なのですが、調べたら情報が多く書ききれないので一部だけ。
Flex 2 SDKバイナリの入手は以下のページから行えます。Adobeへの登録が必要です。
- Flexドキュメンテーション(インストール方法の説明もあり)
- 体験版のダウンロードから"Flex 2 SDK (無償)と日本語パック"を両方ダウンロードします
- 同じところにあるFlex Charting 2も入れておいたほうがいいです
- 適当なディレクトリに両方を展開してJAVA_HOMEを設定すればインストール終了
- Linux版FlashPlayerをインストール(Adobe Flash Player - Downloads)
- Flex Builderほどのことは出来ないようですがeclipseのmxmlプラグインなどもある模様
SDKのツールはjavaで作成されているためマルチプラットフォームで動作します。Ubuntu Linux 7.04(amd64)のjava 1.5.0環境でサンプルを一応コンパイルできました。結構時間がかかります。多少問題がありBlurEffectExampleコンパイル中にcore dumpがでてしまいました。
出来上がったサンプルを動作させたところうまく表示できてなかったりちゃんと動作していないところがあります。WindowsのFirefoxから開くと問題なかったところを見るとswfファイルは出来ているようです。環境のせいかもしれません。もう少し調べる必要がありそうです。
他のオープンソースFlashツール
Flashはadobe社自体が各種資料をリリースしていることもありサードパーティから様々なツールやドキュメントなどがオープンソースで配布されています。ご興味のある方はとりあえずosflashをどうぞ。
- Open Source Flashのprojects
紹介されているコマンドラインツールだけで20種類を超えます。有名どころとしては
- MTASC -- AS2コンパイラ
- ming -- phpを使ってOn The FlyでFlashを作ったりできます。rubyやpythonなど多くの言語から使えます。
純正のツールがオープンソースになることでさらに面白くなればいいですね。