遅ればせながら先日リリースされたUbuntu 9.04 Jaunty JackalopeのNetbook RemixをAsus EeePC 901に入れてみました。このNetbook Remix(略してUNR)は画面が狭くCPUパワー、メモリに制限のあるNetbook向けにチューニングされたもの。
動作確認済みのNetbookはHardwareSupport/Machines/Netbooks - Ubuntu Wikiで確認できます。動作良好なTier1,多少問題があるTier2, 問題があるTier3と分類されており
- Tier1
Acer Aspire One, Asus EEEPC 1000,900a,901, Dell Mini 9
Lenovo S10, Medion Akoya E1210, MSI Wind U100 - Tier2
Asus EEEPC 900, 701-SD,Axioo CMPC, HP Mini 1000, Samsung NC10
Toshiba NB100 - Tier3
HP 2133
インストールは特にCDを焼く必要もなくUSBメモリだけあれば出来ます。正直あっけなさ過ぎ。以前の苦労はなんだったんかという感じです。
- 全領域使ってもいい1GB以上のUSBメモリを用意
- Download Ubuntu Nebook Remix | Ubuntuからimgをダウンロード
- ddとかを使ってimgファイルをUSBメモリに書き込む
- Installation/FromImgFiles - Community Ubuntu Documentation
- LinuxとかMacでは普通にddコマンドでUSBメモリ先頭からimgを書き込む
- Windowsでは上のリンクにあるようにImage Writer, flushnulかdd for Windows等を使う
- 書き終わったらEeePCに差してescでusbスティックを指定して起動
- そのまま使っても結構使える
- インストールしてみる
- 特に問題なくインストール出来ると思いますがせっかくなのでext4で新規パーティションがおすすめ
- 特にSSDの場合swapはなしがいいと思われます
- 自動ログインがデフォルトでチェックされているので外した方がいいと思います
使った印象は
- 起動が速い
- 動作も割とさくさく
- 基本的にアプリが全画面を占有するのだが画面の狭いNetbookには悪くない
- 標準だと画面上下をメニューとタスクバーが占めるが上だけ
- インストール直後のディスク占有は2.2GB程度
- Wifi/Bluetoothも使用可能
最初にやったこと
- fsをwritebackにする(以前から有名なtipsですがext4でも有効)
- tune2fs -o journal_data_writeback /dev/sdb1
- /etc/fstabの/にcommit=600,data=writeback,nobhを追加
- /boot/grub/menu.lstのdefoptionsに以下を追加rootflags=commit=600,data=writeback,nobh
- sudo update-grub
- /etc/init.d/rcでCONCURRENCY=shell
- /etc/sysctrl.dに以下のようなファイル作成して書き込み間隔を減らす。数値は例
filename: 10-vm-tune.conf
vm.dirty_background_ratio =30
vm.dirty_ratio = 60
vm.dirty_writeback_centisecs = 5000
vm.dirty_expire_centisecs = 30000
vm.swappiness = 10
- /tmpもtmpfsにしてしまう
/etc/fstabに以下の行追加。
tmpfs /tmp tmpfs defaults 0 0
私は/var/tmpもやってましたがFHS的には駄目みたいです。
- ここらで一回再起動してもいいかもしれません
- prelinkをインストール
/etc/defaults/prelinkでPRELINKING=yes
sudo /etc/cron.daily/prelinkを実行 - preloadをインストール
2GB積んでる人ならメモリには余裕あるでしょうからpreloadも入れてみます。
ログが定期的に出力されますが不要と思いますので抑制します。
/etc/defaults/preloadでOPTIONS='-i -l/dev/null'
sudo /etc/init.d/preload restart
- とりあえずfirefoxのcacheを/dev/shmに移動
ロケーションバーでabout:config
右クリックして新規作成の文字列で以下の設定を作る
browser.cache.disk.parent_directoryに/dev/shm/firefox-<user>等とする - update managerでアップデート
- 再起動
Netbook Remixに関係無く設定するようなものばかりですが。ライトバック頻度を落とすと不意の電源断時のデータ破損の可能性が高まるのでご注意。
注意点
- デスクトップ切り替えで通常のデスクトップへの切り替えを行うと以降おかしくなる不具合があります。戻すのに苦労したのでやらない方が無難です。
- 旧インテルチップセットのグラフィック(91xとか)のマシンではやたら画面が重く感じるかもしれません(p4の古いデスクトップ, EeePC 701など)。その場合には
- gconf-editorで/apps/netbook-launcherのforce_low_graphicsをチェック
- EeePC 901では問題無いようですが701-XではwebcamのcamEが二回に一回くらいの割合でエラーで落ちます。リトライすれば取れるようです。後露出の調整が遅いので長めの調整時間が必要です。
まだ使い込んではいませんが、インストールも容易で全体的にいい感じです。
ちなみに一昔前のNotePC Dell Latitude X1でも起動してみましたが、こちらもなかなかサクサク動作しています。性能的には今のNetbookと似たり寄ったりですが画面が1280x800でキーが大きく使いやすい。Dual Core ATOMでX1を作り直して重量1.1kg以下、駆動時間正味4時間以上なんていうのが発売されたらと切に願います。
追記:このUNR、実はかなり大きな可能性を秘めているのではないかと少し妄想。若年層のPC離れという痛ましい話も最近話題に上っていますが、PCと携帯電話では全面ガラス張りとのぞき窓位の違いがあります。そういう意味でこのUNRはデスクトップにおいてもライトユーザ向けにぴったりなのではないでしょうか?