Windows上ではちらっと動かしてみてサクサク動いていてなかなかいい感じのGoogle Chrome。個人的にはメインがMacとUbuntuなので正式版が出るまで待とうと決めていたのですが、Wineのスポンサーで商用版を売っているCodeWeavers社がCrossOver ChromiumなるMac/Linuxポートをフリーで配布を始めたので使ってみました。
少し前からWineでの動作は確認されており、特に最新のWine 1.1.5なんかではUpdateにChromeのサポートが良くなった旨書かれていたりします。ご存じの通り、WineはオープンソースでWindowsのソフト互換レイヤーを作っている野心的なプロジェクト。IEやMS Officeをはじめとして、特にかなりのゲームが動作するようで、互換性もかなり高いと思われます。
CodeWeaversはこれをベースに独自のパッケージングやアプリのインストールサポートなどを追加したもので、私も以前購入したことがあるのですが、素のWineと比べると動作やインストールがかなり楽でした。
で、今回のCrossOver Chromiumですが、なんとMacはdmg形式で配布されており、ほとんどのソフトと同じように単にApplicationフォルダに.appをコピーするだけ。Ubuntu/Debianではdeb、Redhat/Suseにはrpm、他のLinux向けにインストール用のshellが用意されていて、非常に簡単にインストールできます。
Macでは:
前述の通りdmgなのでマウントして中のアプリをアプリケーションフォルダにコピー。後は普通にWクリックするだけ。初回起動はちょっと待たされますが、見事にChromeが起動。なんともWindowsチックな画面ですが無事動作しました。動きはサクサクで、日本語も表示されます。gmailもみれました。
ただ、ちょくちょくページが反応しないとのたまってあまり安定した感じではなさそうです。またデフォルトではフォントがいまいち綺麗ではなく、常用出来る雰囲気ではなさそうです。
Ubuntu 8.04では:
debをdpkg -iでインストール。UTF-8はISO-8859-1と互換性がないから誤動作するよ、と警告が出ました。インストール先は/opt/cxchromium/以下で、/opt/cxchromium/bin/chromiumで起動します。が、警告通り?見事に豆腐が出て来ました。
とりあえず、"LANG=C /opt/cxchromium/bin/chromium"として英語で起動。言語の設定でJapaneseを追加、フォントはすべてIPAMonaGothicに変更してみたところボタンは豆腐なままながら、本文は日本語表示されるようになりました。UIの言語は変更しない方がいいようです。読めなくなってはまりました。ちゃんと設定すればいけるとは思いますが。
リンクによってはhtmlなのにダウンロードしようとしたり、EeePCで使ったためか、e-mobileで試したのでネットワークが遅いのか、リンクをたどるのはそれなりに遅い感じです。たぶん高速なネットワークで速いPCで使うと印象が変わるかもしれません。描画自体はそこそこ速いですが、何度かエラーをダンプして止まってしまいました。
まとめ:
CodeWeaversもメインブラウザには絶対しないで!とかFAQに書いていますし、CrossOverシリーズのプロモーションの一環とは思いますが、もうちょい安定していれば。。。設定をいろいろするか、新しいWineを使えばもう少しいい結果になるかもしれません。とりあえず雰囲気を味わう程度でしょうか。
Chrome自体はシンプルで高速なブラウザでなかなかいいと思います。MacではFirefox以外にSafariもあるし、この二つで十分事足りると思うのですが、Ubuntu/Linuxには、特にEeePCのような非力で画面の小さなマシンにぴったりなので早くネイティブをリリースしてくれると嬉しいですね。ただFirefoxのプラグインは便利で依存しているものも多いだけに今のChromeではメインのブラウザは乗り換えないだろうなーと思いつつ。