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Ubuntu 7.10 GutsyでAtok X3を動かしてみた

ATOKのLinuxバージョン ATOK X3が11/30にリリースされました。最近なにかとLinuxで文章を書くことが多くなっておりAnthyの変換効率に不満を感じていたので、早速Ubuntu 7.10 Gutsyに導入してみました。使用感とインストールで少しはまったところをメモ。ちなみにこのエントリーもATOKで書いています。

ATOK X3は最新のATOK2007と同等の変換エンジンを使用しており、変換効率はフリーのものはもとよりMS-IMEとも一線を画します。明らかに誤変換も少なく、仮に目的と違うものが出てきても数回程度の選択で目的の候補が出てきます。

インストール手順など

Just Systemのオンラインショップからダウンロード購入すると atokx3.tar.gzがダウンロードできます。サイズは160161962バイト=160MBと結構大きく、rpm, debやマニュアルのPDFなどを含みます。私はなんとCLIEのATOKをユーザ登録していたため優待価格で購入することが出来ました。4725円でした。

正式なサポートOSはRedhat EL4.5, EL5 Desktop, TurboLinux FUJI, SuSE 10となっていますが、参考としてFedora 7/8, Debian, Ubuntu Gutsy向けのインストール資料があります。

私はこのFAQに気づいていなくて、あちこち調べつつインストールを行ったのですが、結果的に同じような手順となっていました。というか基本debがあるのでdpkg -iで依存関係に注意しながらインストールすればOKです。

問題だったのは、インストールが終わって、再起動しても一向にATOKが動かなかったところ。

sudo  update-alternatives --config xinput-ja_JP

でiiimfを選んでもダメ、.xsessionや.bashrcでXMODIFIERSをいじったりしてもさっぱりです。

で、気づいたのが.xinput.dです。おそらくscim-bridgeを使っている人向けの問題だと思うのですが.xinput.d/ja_JPの記述を変更しないとダメな模様。合っているかどうかわからないところもありますが、とりあえず私が動かしたもの。

XIM=IIIMX
XIM_PROGRAM=/usr/bin/iiimx
XIM_ARGS="-iiimd"
GTK_IM_MODULE="iiim"
QT_IM_MODULE="xim"
DEPENDS=""

これでログインし直せばATOK自体は起動するようになったのですが、今度は辞書がないとかいわれてしましました。

~/.iiim/le/atokx3というフォルダがあり、ここに辞書へのリンクや学習結果などが置かれるようなのですが、どこで間違ったかrootの持ち物となっており、atokx3/users/にはrootしかない上アクセスすら出来ません。これをchown -Rですべて自分の持ち物にして、atokx3/users/rootを自分のユーザ名に変更して再起動。

以上で無事日本語入力&変換できるようになりました。

使用感など

左下に出るモード表示が少しうるさい感じですが変換効率は実に快適で、長文の入力のストレスがかなり軽減されそうです。後は安定性やなんかですが、これは使い込むことでわかるかと。キーボードの設定なんかもSCIM風とかがあったりしてなかなかいい感じです。まだemacsから使えるようにしていませんが、こちらはAnthyのままでもいいかなあと思っているところです。 

追記:しばらく使っていますが、やはり文書書きが劇的にやりやすくなりました。特に長めの文章を書いたりするとストレスに雲泥の差があります。MS-IMEと比べてもずっと賢いので、Windows版も欲しくなりました。

雑感など

昔はWXG(だっけ)がフリーで配布されてかなりよかった記憶があります。またパッケージ版のRedHat9にはWnn7が同梱されており、これもかなりいい感じでした。本 当はこういうインフラ系のソフトこそオープンソースであることに意味があると思うのですが、特許なんかのからみもあるのか、どうしても市販ソフトと差があ ります。ATOKはおそらく最も変換率の高い日本語入力エンジン。Linuxを使っていて、日本語の変換にご不満の方は是非一度試してみてはいかがでしょ うか。 

実質FreeWnnもCannaも止まってしまっており、オープンソースではAnthyだけが期待出来るソフト。現在もコーパスを集めておられるようで、進歩しているのがうれしいです。なかなかATOKを追い越すのは難しいとは思いますが、開発者の皆様応援しております。(個人的にはかなり以前から使わせてもらっています)

プライバシーとの絡みが難しそうですが、辞書メンテユーティリティのオンライン化とか、合意の得ることが出来たユーザの辞書や学習結果をネット越しに集めて動的に辞書の改善が出来たりしたらオープンソースらしくて面白そうです。

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2007年12月02日 01:25に投稿されたエントリーのページです。

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