MacOS向けに有名なオープンソースのDVDのリッパーソフトHandBrakeの新しいバージョン0.9.0がリリースされたようです。MacやWindowsのGUIが強化され、いろいろ新しくなっているようです。Linuxでも動作し、GUIの整備は公式にはありませんが、コマンドラインから簡単に使えるので個人的に重宝しています。
主要なリリースの内容
公式ページのリストからざくっと紹介すると
- MacとWindowsのインターフェースを再構成して、使い勝手が向上
- 画質の向上 -- 画像スケーリング、インターレス解除、新しいノイズフィルタ、デブロッキング、inverse telecine,高画質の為のプリセット等の改良
- 速度の向上 -- x264とffmpegのバージョンアップ。iPod向けのマルチスレッドでのエンコードも含まれます。
- 互換性の向上 -- iPhoneやPSP等向けの新しいプリセット値。またオーディオでDTSのサポート、限定的な.VOB,.TSからの入力のサポート。最も素晴らしいことにMatroska(MKV)フォーマット出力のサポートが加わりました。
- 安定性の向上 -- 継続的なバグフィックスにより安定性が向上。音落ちやmp2の問題も含みます。また4GBを越えるMP4ファイルのサポートもオプショナルでサポート。
なんだか直訳みたいになってしまいましたが...300を越える変更が行われたようです。
Linux(Ubuntu)へのインストール
今回のHandBrakeのリリースはMac/Windowsのバイナリのみで、Linux版のバイナリもソースコードもダウンロードの所には用意してありませんので、svnでソースを落として、コンパイルをUbuntu 7.04 Feistyで行うことにしました。当初この記事を書いたときにはLinux版もソースコードもダウンロードできなかったのですが、現在は用意されています。コンパイル無しで試すことが出来るようになりました。ただせっかくなので効果は微妙ですがpentium-builderを使ってCPUアーキテクチャを指定すると速くなるかもしれません。特にAMDのAthlon 64をお使いの方は是非64bitでリコンパイルして使ってみてください。今回は試していませんが、以前試したときには20%位高速でした。
Ubuntuでは/bin/shが高速で機能の少ないdashになっており、bashを想定しているスクリプトがエラーになります。本来はエラーの出るスクリプトへのpatchで解決すべきですが、とりあえずコンパイル中だけ/bin/shを/bin/bashにしておけば問題ないと思います。
またUbuntuではmpeg4ip-config関係でエラーが出ましたので適当に解決しておきます。
sudo ln -sf /bin/bash /bin/sh
yum install nasm yasm jam
svn co svn://http://handbrake.m0k.org/HandBrake/tags/0.9.0 HandBrake
--> またはdownload and 展開
cd HandBrake
export PATH=/<HandBrake>/contrib/bin:$PATH
touch contrib/bin/mpeg4ip-config
chmod +x contrib/bin/mpeg4ip-config
./configure
jam
sudo ln -sf /bin/dash /bin/sh
ビルドは必要なライブラリのソース等をダウンロードしてコンパイルするので結構時間がかかります。約220MBほどのディスク容量が必要でした。
基本的にshellの置き換え以外はFedora等の他のディストリビューションでも同じようにすればビルドできると思います。mpeg4ip-configがあればこの部分は不要です。
まだコンパイル&インストールしただけで使っていません。HandBrakeはall-in-oneなバイナリで比較的高速に中間ファイルなしで、安定してDVDをリッピングしてくれるので便利です。